11月1日 鹿児島のシラスについて

今回扱うシラスは500万年前から1万年前までの火山活動による噴出物(火砕流)の堆積物で、南九州の4000k㎡に及ぶ範囲に分布し、鹿児島の面積の約半分を覆っています。層厚は最大で140mにも及び、その量は150k立米と推定されています。

一般的にはシラス台地としてよく知られていると思いますが、その特性から大雨の際に急傾斜地で土砂崩れを引き起こしたり、水はけが良く稲作に向かない、造成工事の際に産業廃棄物として処理されるなど、これまで有効利用はされてこなかった地域の自然素材と言えます。

近年では調湿性に着目した左官壁の材料として見直されていますが、本協会ではこれまで土木分野で使用されてきた鹿児島大学の武若教授が30年前より研究を進めてきたシラスの特性を活かしたコンクリートの利用分野の拡大に協力しています。